円覚寺をゆる~く歴史散歩@北鎌倉

歴史散歩

 みなさんは、北鎌倉にはどんなイメージがありますか?
 私は、自然が多く、お寺や古民家があったりするなど、落ち着いた雰囲気の場所だというイメージがあります。その中でも、「円覚寺」はとても好きな場所です。毎日やることに追われてストレスフルな時も、境内を散歩していると心がスッキリします。
 今回は、そんな「円覚寺」をご紹介していきたいと思います。

円覚寺とは

 弘安5年(1282)に創建されたお寺です。開基は鎌倉幕府8代執権北条時宗、開山は宋から来朝した高僧の無学祖元(仏光国師)です。いきなりよく分からない言葉がいくつか出てきたと思いますので、調べていきましょう。

・「開基」と「開山」ってどう違うの? 
⇒どちらも同じ「寺院を開いた人」を意味するものですが、実際に寺院を建てた人が「開基」、初代住職となった人を「開山」とするのが一般的です。

・「執権」ってどんな立場の人だっけ?
⇒鎌倉時代に、将軍を補佐する役職のことです。つまりは幕府のナンバー2になります。しかし、徐々に将軍に代わって幕府の政治を主導するようになっていきます。北条氏が執権を代々担っていたので、北条氏の権力は絶大なものとなります。

・無学祖元の「無学」って何?勉強しない人のことでしょうか?
⇒修行が完成して、もはや学ぶもののない境地のことを「無学」と言うようです。
 勉強しない人のことだとか言って失礼しました。私の無学を恥じたいと思います・・・

 ちなみに、円覚寺は鎌倉五山第2位に列せられています。鎌倉五山とは、建長寺、円覚寺、寿福寺、浄智寺、浄妙寺のことを言います。全部行ってみたいですね♪

 さて、突然ですがここで第1問目のクイズ!!
Q 円覚寺創建の主な目的は何でしょう?
①蒙古襲来(元寇)で戦没した多くの霊を敵味方関係なく弔うため
②北条時宗の子が大病を患ったので、その治癒を祈願するため
➂鎌倉幕府に不満を持つ人たちを仏の力で押さえつけるため

A 答えはなんと
 ①蒙古襲来(元寇)で戦没した多くの霊を敵味方関係なく弔うため でした。
 みなさん正解できましたでしょうか?

 ちなみに、元寇は2回ありましたよね。1回目は約3万人、2回目は約14万人も攻めてきたようです!よく日本を守り切りましたね。しかし、防衛戦であったため、幕府はこの戦いで頑張った御家人に対して恩賞を与えることができませんでした。そのため、家臣である御家人が困窮してしまい、鎌倉幕府衰退の一因となってしまいます。そりゃ命を懸けて奮闘したのに、ご褒美もないんじゃ不満も出てきますよね。

境内を散策

 さて、ここからは美しい境内を散歩した様子を紹介します。

山門

 円覚寺の境内に入るとまず山門があります。
 山門は煩悩を取り払う門とされており、山門を通って心を清らかにしてから本尊をお参りしなければならないとされています。うっかり通るのを忘れないようにしないといけませんね。
 なお、現在の山門は1785年に再建されたものです。再建後も200年以上の歴史があるなんて驚きですね!

 山門の内側はこんな感じです。
 何かは分かりませんが、柱に模様がありますね。どんな意味があるのでしょう?「それくらい調べろよ!」というつっこみがありそうですが、ゆるく散歩しているので、ご容赦ください。

仏殿

 次に見えてくるのは、仏殿です。
 この建物は、円覚寺の本尊が祀られています。関東大震災で建物が倒壊しましたが、その後再建されました。本尊については大火で焼失しましたが、顔だけが救出されて、その後に体も修復されました。なかなか山あり谷ありの人生を送られていますね。人生ではないか・・・
 実際に中で本尊を見てみると、顔の部分は傷んでいました。「写真を撮っていいのだろうか?」と気になりましたが、安易に写真を撮ってめちゃくちゃ怒られたら恥ずかしいので、とりあえず自粛しておきました。

洪鐘(おおがね) 

 こちらは、正安3年(1301)に鋳造された国宝の洪鐘です!!
 北条貞時が国家安泰を祈願して鐘の鋳造を命じましたが、最初はうまくいきませんでした。そこで、○○の弁天様に7日間参詣したところ、ある夜の夢の中で「円覚寺の色鷺池の底を掘ってみよ」というお告げがありました。その通りにすると、金銅の塊が見つかり、それを鋳造して造ったという伝説があるようです。
 それにしても立派な鐘ですよね。思いっきり鐘を鳴らしてみたいですよね!?
 そこでやってみました!勇気を出して鐘を鳴らしてみました!「ゴーン」という素敵な音が鳴り響いて、心が満たされました♪という想像を楽しんで、その場を立ち去りました。まあ、勝手に鳴らしたら怒られますよね・・・出禁になりたくないですし・・・

 ここで、だい2問目のクイズ!!
Q2 さっきの説明で、○○の弁天様に7日間参詣したと書きましたが、どの弁天様でしょうか?

①川崎の弁天様
②横浜の弁天様
➂江ノ島の弁天様

洪鐘に辿り着くには、長い階段が・・・何段あるんだろ?

A 答えはなんと
 ➂江ノ島の弁天様 でした。
 みなさん分かりましたか?江ノ島の弁天様ってすごいですね!私も7日間参詣してみたら、宝くじとか当たらないかな!?そんなやましい心では相手にされないか・・・

舎利殿

 舎利殿は残念ながら普段は公開されていないようです。お正月とか5月の連休の時にだけ拝観できるので、是非実際に見ていただければと思います。混みそうですけどね。
 遠くから舎利殿(?)らしきものを発見したので、写真に撮ってみました。

 どうやら円覚寺の舎利殿にはお釈迦様の歯牙が祀ってあるようです。「えっ、マジ!」と思った方もいるかと思います。お釈迦様の歯があったらすごいですよね。私も見てみたかったです!でも、見れなかったので、歯がゆい思いです・・・

方丈

 この写真は、方丈の裏側の庭園になります。「和」を感じられて、とてもいい雰囲気ですよね。ちなみに、方丈では「日曜説法」や「座禅会」なんかも開かれているみたいなので、興味のある方は是非行ってみてください。

 ここで、第3問目クイズ!!
Q 「方丈」って元々どんな意味でしょうか?

①集まって会議するところ
②住職が居住するところ
➂修行に疲れたお坊さんが休憩するところ

ビャクシンの木を発見!木の皮が剥がれている部分が特徴的ですね!

A 答えはなんと
②住職が居住するところ
 でした。

 ちなみに、方丈には「一丈(約3メートル)四方部屋」の意味もあります。みなさんも一度は聞いたことがある鴨長明「方丈記」は、作者が執筆していた庵がそれくらいの広さだったのが由来です。「方丈記」は、疲れ切っている現代人の心に響く内容なので、興味のある方は是非読んでみてください。

妙香池

 こちらの池は円覚寺創建当時からあったようです。現在の状態は、江戸時代初期の絵図に基づいて復元されたようです。なかなか趣があって、個人的にはおすすめの場所です。

まとめ

 円覚寺には、これまで数回行ったことがあります。その良さは歳を重ねるごとに理解できるようになっていくような気がします。若い時は何も分かっていなかったんだなぁ・・・と思い知らされました。
 そして、今回初めて歴史を意識しながら円覚寺を散策しましたが、多くの発見をできたことに驚きました。鎌倉時代から多くの人が訪れ、どんなことを考えていたんだろうと思いを巡らせてみるのも楽しいものです。
 私にとってお気に入りの場所なので、定期的に訪れたいと思います。みなさんも機会があれば、是非立ち寄ってみてください。

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