秋の建長寺をゆる~く歴史散歩

歴史散歩

 みなさん、鎌倉周辺の寺社だとどこをイメージしますか?
 鶴岡八幡宮?大仏のある高徳院?どちらも素晴らしいですよね~♪でも、やっぱり建長寺を忘れてはいけないですよね!場所的には、鎌倉駅と北鎌倉駅の間というちょっと中途半端なところにあるのですが、鎌倉五山第一位のお寺ですので、鎌倉に来たら是非行ってみたいですね♪

 ちなみに、私が行ったのは12月7日なので、紅葉の時期です。そのため、建長寺~天園ハイキングコース~鎌倉宮 と紅葉も楽しめる散歩にしました♪今回の記事では、建長寺に絞ってご紹介していきたいと思います。

 それでは、歴史散歩のスタートです!!

建長寺とは?

 建長寺は、建長5年(1253)に鎌倉幕府5代執権 北条時頼によって創建されました。臨済宗建長寺派の大本山です。
 建長寺と言えば、鎌倉五山第一位ですよね。ちなみに、第二位は円覚寺、第三位は寿福寺。どれも素晴らしいお寺ですが、豪華さでいうと、やはり建長寺がすごいなぁと思います。
 開山、つまり初代住職は、中国の僧である蘭渓道隆です。宋時代の純粋で厳しい禅がそのまま実践されているようです。

 鎌倉を中心に歴史散歩をしていて、建長寺は絶対に行きたいなぁと考えていました!やっと来れてよかったです♪それでは、境内を見ていきます。

天下門・総門・三門

 正面の入口から建長寺に入っていくときに、まず3つの門を通ります。
 まずは、「天下門」。「臨済宗五山第一 建長寺」と書いてありますが、なかなかインパクトがありますね!!すごいところに来ちゃった!みたいな雰囲気を感じます。

 門から下を覗いてみると、「天下禅林」と書いてあります。どういう意味なんでしょうか?モヤモヤを抱えながらも進んでいきます。

 次に現れるのが、「総門」です。何やら「巨福山」と書いてありますね。建長寺の正式名称が、「巨福山建長興国禅寺」というので、関係があるのかと思います。

※「巨」と書きましたが、少し違う漢字です。「巨」と「臣」の中間のような漢字になっています。どうしても変換できなかったので、「巨」にしています。全く嫌な感じですね・・・

 ちなみに、総門は天明3年(1783)に建立された京都の般舟三昧院の門を昭和15年に移築したものです。

 さて、次は三門。重要文化財に指定されています。門の下を通ると心が清浄になると言われています。安永4年(1775)に再建されたもののようです。

○○石

 山門をくぐって進んでいくと、なんか変わった石がありました。
 さて、ここで第1問目のクイズ!
 これはある有名な石ですが、何という石でしょうか?

①ざらめ石
②さざれ石
➂けつめ石

 答えは、②さざれ石です。みなさんもよく知っている国歌「君が代」に出てくる石ですね。
 石灰岩が長い年月をかけて溶解し、小石を凝結させてこのような形になるみたいです。理屈はなんだかむずか石です・・・失礼しました、理屈は難しいです!

 なお、➂の「けつめ石」は「ケツメイシ」のことです。有名なグループですね。最近の方は分からないですが、30代以上だと知っている方も多いのではないでしょうか!?

「ずっと友達、だが時はたち♪」
なんか青春を思い出して歌いたくなりますね♪

鐘桜

 さらに周りを見渡すと立派な鐘がありました!国宝のようです。うひゃー
 この鐘は建長7年(1255)に鋳造されました。建長寺創建時から残るものとのことです。ものすごい歴史を感じますね!!

 さて、ここで第2問のクイズ!
 「鐘つけば 銀杏ちるなり 建長寺」という俳句はある有名人が作りました。それはいったい誰でしょうか?

①正岡子規
②小林一茶
➂夏目漱石

みなさん分かりますでしょうか?

 それでは、正解を発表します♪➂夏目漱石 でした!
 夏目漱石も同じ鐘を見ていたんだと考えると感慨深いですね!

 でも、みなさんなんか似たような俳句を見たことありませんか?
 そう、正岡子規の「柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺」という俳句が有名ですよね。私はこちらしか知りませんでした。どうやら親友である夏目漱石の俳句を参考に、正岡子規が作ったようです。
 最初に、私が夏目漱石の俳句を読んだ時に、正岡子規のパクリじゃんと笑っていましたが、夏目漱石の方が先だったんですね!!漱石さん、申し訳ございませんでした。

仏殿

 ついにきました仏殿です。建長寺の本尊・地蔵菩薩を安置しています。創建当初から四代目の建物のようです。現在の建物は、正保4年(1647)に、東京にある増上寺から移築したものです。

 地蔵菩薩さまには、「お金持ちになれますように!!」「女性にもてますように♪」とお願いして、いやいや、「世界平和」と「このブログを読んでくださる皆様の幸せ」を願って、その場を後にしました。

 ちなみに、仏殿の周辺もなかなか興味深いものがありました。特に、右下の写真にある柏槇の木は、蘭渓道隆の手で植えられたもので、樹齢760年と言われています。だ、だ、だ、だ、大先輩ですね!!これまで、建長寺では火災など様々な困難がありましたが、よくぞ生き残ってこられましたとしみじみ感じました。強い生命力を感じます。

法堂(はっとう)

 仏殿の裏には、法堂があります。昔は建長寺全体が修行道場であり、山内にいる僧侶全員がこの法堂に集まって、住持の説法を聞き、修行の眼目としていました。現在は、法要・講演・展覧会などに使われています。


 この建物は、江戸時代である文化11年(1814)に再建されたものです。奥には先手観音菩薩が祀られています。また、天井には日本画家 小泉淳作さんが描いた水墨の雲竜図がありました。これも迫力があり、圧倒されました。

 さらに、法堂に入り、「はっ」と驚かされたものがあります。先手観音菩薩の前に祀られている像が、かなりやせ細っていて、「ぎりぎり生きている人?」と見受けられました。これはどうやら「釈迦苦行像」のようです。

 それでは、ここで第3問目のクイズ!
 この「釈迦苦行像」はある国から寄贈されたものです。それはどこの国でしょうか?

①仏教発祥の地 インド
②日本に仏教を伝えると言ったら 中国
➂予想外です! パキスタン

法堂と紅葉を一緒に写してみました。いいアングルが女性トイレ付近だったので、気まずい雰囲気の中、ササっと撮りました!

 みなさん正解は分かりましたか?答えは意外にも、➂パキスタン です。
 こんなに貴重なものを寄贈していただけるなんて、パキスタン政府のみなさんありがとうございます。

唐門

 こちらは「唐門」です。国の重要文化財に指定されています。
 門の柄が特徴的ですね。16世紀後半の日本の屋根の建築様式である桃山風向唐破風で漆塗りの四脚門です。透彫金具が各所に使用され、仏殿の装飾技法と似ているみたいです。私には、ちょっと難しいですが・・・
 元は増上寺にありましたが、正保4年(1647)に仏殿などと共に、建長寺に寄付されました。

拡大してみました!

まとめ

 建長寺でいろいろと歴史的価値のあるものを見ることができて大満足です。総じて、江戸時代に再建されたり、移築されたりしたものが多いですね。ということは、江戸時代以前に大きな災害があったことや、江戸幕府から厚遇されていた様子が伺えます。多くの困難がありましたが、時代を越えて様々な人の助けがあって、今の建長寺があるんですね。

 最後に、紅葉も楽しむ歴史散歩なので、境内の紅葉の様子を写真でお伝えします。12月7日くらいでも十分に楽しめました♪

 建長寺での散歩も終わり、天園ハイキングコースに向かいます。こちらも多くの見どころがありました!次回のブログでお伝えするので、お楽しみに~♪

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