特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」に行ってみた!!

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みなさん、こんにちは!

2024年の夏は暑いですねぇ・・・私は鎌倉を中心に歴史散歩をしていますが、夏は活動休止中です。歴史に関する本を読んだりして、次のシーズンに備えています。

ちなみに、今回は上野にある東京国立博物館に行ってきました!!お目当ては、特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」です♪

鎌倉を中心に歴史散歩をしていると、お寺めぐりもするので、仏教にも詳しくなります。その中で、平安時代の最澄・空海などにも興味が湧いてきます。

思い切って仕事を休んで、展覧会を見に行くことにしました!!

東京国立博物館 – 展示・催し物 展示 平成館(日本の考古・特別展) 創建1200年記念特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」 (tnm.jp)

空海とは

 空海(弘法大師)は、774年に讃岐国(現在の香川県)で生まれました。幼少期から才気溢れる学問好きで、早くから仏教に興味を持ちました。彼は京都で学び、僧侶としての道を志しましたが、その後、仏教の深い教えを求めて31歳のときに遣唐使として唐(中国)に渡ります。

 805年、空海は唐に到着し、長安の青龍寺で密教の高僧である恵果和尚から学びました。ここでの修行と学問は彼の思想に深い影響を与えました。806年に帰国した空海は、唐で得た密教の知識をもとに、日本における真言宗の基礎を築きます。彼は密教の教えを広めるため、神護寺や高野山で修行を行いました。

 特に高野山は空海の活動の中心であり、彼はこの地に真言宗の根拠地を築きました。高野山の開創により、空海は多くの信者を引き寄せ、真言宗の教えを日本中に広めることができました。彼の教えは、単なる宗教的な儀式だけでなく、生活の中での実践や精神的な成長を重視しました。

成就寺の空海

 空海は835年に亡くなりましたが、その後も彼の教えと影響は日本の仏教界において重要な位置を占め続けています。彼の生涯は、宗教的な探求と文化的な貢献を通じて、日本の精神文化に深く根付いています。

密教とは

 密教は、仏教の一派で、主にインドから中国、そして日本に伝わった宗教的伝統です。密教は、仏教の教えを深く理解し、悟りを得るために、特定の儀式や秘儀的な教えを重視します。象徴的な儀式や曼荼羅、マントラ(真言)を用いて、直接的な体験を通じて仏性を実現しようとします。特に日本では、空海が真言宗を通じて密教を広め、密教の教義と実践を体系化しました。密教の教えは、悟りへの道を密やかに示すとともに、深い精神的な成長を目指します。

展覧会の感想

 全体的に感動の連続でしたが、私の中でのポイントを3点ほど挙げます。

①神護寺の歴史が分かる
 京都市の西北・高雄山の中腹にある神護寺は、古くから紅葉の名所として知られていました。元々は、高雄山寺たかおさんじがその場所に存在しましたが、824年に神願寺じんがんじと合併し、神護寺となりました。

 空海が唐で密教を学んで帰国した後、神護寺を最初の拠点として活動をしていきました。神護寺は、一時期廃れてしまいますが、文覚、後白河法皇、源頼朝などの尽力によって、復興が成し遂げられます。

源氏山の源頼朝

 このように、神護寺の歴史について、説明書きや神護寺絵図などの資料により、生き生きと感じることができます♪

②両界曼荼羅の壮大さに圧倒される
 金剛界と胎蔵界という密教の二つの世界観を図示したのが両界曼荼羅です。ここで、金剛界は大日如来の智慧を象徴していて、胎蔵界は慈悲を象徴しています。この二つの世界が、密教の教えにおいて互いに補完し合うものであり、セットで描かれることが多いです。
 こちらの両界曼荼羅は4メートル四方の大きさを誇る、空海在世時に制作された現存最古のものです。江戸時代以来30年ぶりに修理されたようです。

 実際に見てみると、図示されたものがかなり薄くなってしまっているので、目を凝らして見ないと何が何だか分かりません。しかし、じっくり見ると、壮大な密教の世界観が描かれており、そのすごさに圧倒されます。改めて、人間の想像力ってものすごいなぁと感じました!!

➂薬師如来立像、五大虚空蔵菩薩坐像に深く魅了される
 そして何といっても、国宝 薬師如来立像は必見です!神護寺の本尊です。威厳あふれる表情は、独特の迫力を生み出し、平安初期(8~9世紀頃)の彫刻の最高傑作と言えます。特徴としては、肉厚でふっくらとしていて、身に付けている衣は薄く、衣を通して肉身の豊かさが表現されています。
 ちなみに、私の職場には、薬師如来立像と顔が似ているおじさんがいます。お酒やおいしい食べ物に目がなく、煩悩だらけの様子ですが、なんだか神々しく見えるようになりました。

 また、現存最古の五大虚空蔵菩薩坐像も見逃すことができません!!こちらも国宝です。品の良い顔立ちと均整の取れた造形は当時(平安時代・9世紀頃)最高の技術を持った工人たちによって制作されたようです。
 間近で見ると、何か人を引き付ける魅力があります。本当にきれいな表情で生き生きとしているので、「声をかけたら動き出しそう!」とも感じました。

なお、仏像に興味がある方は、下記記事もご覧ください!!

歴史散歩が楽しくなる仏像入門① | くま吉の歴史散歩ブログ (ashigarukumakichi.com)

歴史散歩が楽しくなる仏像入門② | くま吉の歴史散歩ブログ (ashigarukumakichi.com)

 ちなみに、展覧会では写真が禁止されていますが、下の写真だけ許可されていました。雰囲気が伝わればと思います。

まとめ

 平日のお昼に行ったのですが、そこそこ混んでました!仏教やら空海やらに興味を持っている人は少ないのかなと思っていたのですが、意外といるもんですね!海外からの観光客も多かったです。

 最近は仏像にも興味が出てきたところなので、薬師如来像を拝見できたのは感激でした♪

 もちろん、その他の魅力もたくさんあるので、もしお時間があったら、展覧会に行ってみてはいかがでしょうか?

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